就労継続支援B型事業所の利用者を募集する方法の一つとして、相談支援事業所へ事業所の案内をすることは非常に重要です。
本記事では、相談支援事業所へ利用者募集をするために、相談支援事業所の相談支援専門員にどのような情報をお伝えするべきかを分かりやすくご説明したいと思います。
利用者さんを集めたい経営者の方へ
就労継続支援B型事業所の利用者さんの集め方に関しては『就労継続支援B型の利用者の集め方』のページで詳しくご説明していますので、是非ご覧ください。
相談支援事業所に訪問する前に注意する点
相談支援事業所に訪問をする前に訪問予定の相談支援事業所のホームページなどを見て、「訪問する相談支援事業所がどのような利用者さんを支援しているのか」「どのようなニーズを持っているのか」などを事前に把握ておきましょう。
訪問時にはこちらからの一方的な説明にならないように相手の話をよく聞き、質問にも丁寧に答えるように心掛けましょう。
以下に紹介します「相談支援専門員に伝える情報」をあなたの就労継続支援B型事業所のホームページに分かりやすくまとめておくことで、事前に相談支援専門員に見てもらい、訪問時には詳細な話ができるようになります。
また、訪問時に伝えるべき情報をまとめたパンフレットを渡すことで、訪問後に利用希望者にパンフレットを配ってもらえる可能性もあります。
相談支援事業所に訪問する前には、こういった事前準備は必ずおこなっておきましょう。
相談支援事業所への訪問時には、相談支援専門員が利用者を紹介しやすいように、どのような情報を提供できるのかを伝えましょう。
例えば、利用者の状況に応じた見学や体験の機会を提供したり、個別相談に対応したりするなど、相談支援専門員との連携を積極的に行っていることをアピールしましょう。
【伝える情報1】あなたの事業所の「基本情報」
相談支援専門員は、利用者さんの状況や希望に合った最適な支援先を紹介するために、就労継続支援B型事業所の具体的な情報を必要としています。
まずは、以下の基本情報を簡潔に整理して説明しましょう。
- 事業所の名称、所在地、連絡先
- 定員、現在の利用者数
- 営業時間、サービス提供日
- 運営方針、理念
- アクセス方法(最寄り駅からの距離、送迎の有無など)
- 空き状況
- 見学・体験の可否
- 費用(利用料、食費、送迎費など)
【伝える情報2】あなたの事業所の「作業」
就労継続支援B型事業所の作業内容について相談支援専門員に伝える際は、以下の点を具体的に説明しましょう。
これらの情報を効果的に伝えることで、相談支援専門員はあなたの事業所の作業内容を理解し、利用者にとって最適な支援先かどうかを判断することができます。
作業の概要
- 具体的な作業内容:例えば、「軽作業(部品の組み立て、検品、梱包など)」、「内職作業(封入、シール貼りなど)」、「PC作業(データ入力、資料作成など)」、「清掃作業」、「農作業」、「創作活動」など、具体的にどのような作業を提供しているのかを伝えましょう。
- 作業の難易度や細分化:同じ作業でも、難易度や工程を細かく分けている場合はその点を説明し、利用者の状態に合わせて作業を選べることをアピールしましょう。
- 作業の成果物や提供先:例えば、地域のお店で販売される商品を作っている、企業から委託された作業を行っているなど、作業の成果物や提供先を伝えることで、利用者が社会との繋がりを感じられることを伝えましょう。
- 作業を選ぶ際の自由度:利用者の希望や適性に合わせて作業を選べるのか、それとも決められた作業を行うのかを明確に伝えましょう。
- 新しい作業への挑戦:新しい作業に挑戦する機会を提供している場合はその点を伝え、利用者のスキルアップを支援していることをアピールしましょう。
作業環境
- 作業場所:作業を行う場所の広さや雰囲気、設備などを具体的に伝えましょう。
- 作業時間や工賃: 作業時間や休憩時間、工賃の支払い方法などを具体的に伝えましょう。
- 安全対策:安全に作業を行えるよう、どのような対策を取っているのかを説明しましょう。
- 清潔さ:清潔な環境で作業を行えるよう、どのような工夫をしているのかを伝えましょう。
- バリアフリー:車椅子利用者など、移動に配慮が必要な利用者への対応について説明しましょう。
作業支援
- スタッフの関わり:スタッフがどのように利用者の作業を支援しているのか、具体的に説明しましょう。
- 個別支援:利用者一人ひとりの状況に合わせて、どのような個別支援を提供しているのかを伝えましょう。
- スキルアップ支援:就労に必要なスキルを身につけるための支援について説明しましょう。
- コミュニケーション支援:コミュニケーションが苦手な利用者への支援について説明しましょう。
【伝える情報3】あなたの事業所の「支援」
相談支援専門員にとって、利用希望者に就労継続支援B型事業所を紹介するにあたって、どのような支援をしている就労継続支援B型事業所なのかはとても重要です。
しっかりした支援をしている就労継続支援B型事業所であれば、安心して紹介できると感じてもらえるでしょう。
就労継続支援B型事業所の利用者への支援について相談支援専門員に伝える際は、以下の点を具体的に説明しましょう。
支援体制
- スタッフ体制: 支援員の人数、資格、経験などを伝え、利用者へのサポート体制が整っていることをアピールしましょう。特に、精神保健福祉士や社会福祉士、作業療法士などの専門職がいる場合は、その点を強調すると良いでしょう。
- 個別支援計画: 利用者一人ひとりの状況や目標に合わせて、個別支援計画を作成し、定期的な見直しを行っていることを伝えましょう。
- 支援内容:どのような支援を提供しているのか、具体的に説明しましょう。例えば、作業支援、生活支援、就労支援、余暇支援など、多岐にわたる支援を提供している場合は、その点をアピールしましょう。
- 連携体制:医療機関や他の福祉サービス事業所との連携体制について説明しましょう。利用者の状況に応じて、適切な支援機関と連携し、切れ目のない支援を提供できることをアピールしましょう。
就労支援
- スキルアップ支援:就労に必要なスキルを身につけるための支援について具体的に説明しましょう。例えば、ビジネスマナー研修、パソコンスキル研修、資格取得支援など、具体的な取り組みを紹介すると良いでしょう。
- 職場体験:企業での職場体験の機会を提供している場合は、その点を強調しましょう。利用者が実際の職場で働く経験を積むことで、就労への意欲を高め、自信をつけられることをアピールしましょう。
- 就職活動支援: 履歴書の作成支援、面接練習、求人情報の提供など、就職活動に関する具体的な支援内容を説明しましょう。
- 就職後の定着支援: 就職後も継続的に利用者をサポートし、職場への定着を支援していることを伝えましょう。
生活支援
- 金銭管理支援:家計簿のつけ方、貯金の仕方など、金銭管理に関する支援を提供している場合は、その点を説明しましょう。
- 健康管理支援:定期的な健康チェック、服薬管理、食事指導など、健康管理に関する支援を提供している場合は、その点を説明しましょう。
- 余暇支援:スポーツ活動、文化活動、レクリエーションなど、余暇活動の機会を提供している場合は、その点をアピールしましょう。利用者が充実した生活を送れるよう、様々な活動の機会を提供していることを伝えましょう。
【伝える情報4】あなたの事業所の「地域との繋がり」
相談支援専門員に、あなたの就労継続支援B型事業所の地域との繋がりや貢献活動に関する情報を積極的に発信することで、あなたの事業所の魅力を感じてもらうことができます。
地域との繋がりや貢献活動について相談支援専門員に伝える際は、以下の点を具体的に説明すると良いでしょう。
地域との連携
- 連携先:地域の企業、学校、福祉施設、NPO法人など、具体的にどのような団体と連携しているのかを伝えましょう。
- 連携内容:それぞれ連携先との具体的な連携内容を説明しましょう。例えば、企業からの業務委託を受けている、学校の清掃活動に参加している、福祉施設と合同でイベントを開催している、NPO法人の活動に協力しているなど、具体的な事例を挙げると良いでしょう。
- 連携の目的: 地域との連携を通じて、どのようなことを目指しているのかを伝えましょう。例えば、利用者の就労機会の拡大、地域社会への参加促進、地域住民との交流促進などを挙げることができます。
地域貢献活動
- 活動内容:具体的にどのような地域貢献活動を行っているのかを説明しましょう。例えば、地域の清掃活動、祭りへの参加、バザーへの出店、地域住民向けの講座開催など、具体的な事例を挙げると良いでしょう。
- 活動頻度:定期的に活動を行っているのか、不定期なのかを伝えましょう。
- 活動の成果:地域貢献活動を通じて、どのような成果があったのかを伝えましょう。例えば、地域住民との交流が深まった、利用者の社会参加意欲が高まった、地域のイメージアップに貢献できたなどを挙げることができます。
【伝える情報5】あなたの事業所に通う「利用希望者のメリット」
相談支援専門員に利用者のメリットを伝える時は、利用希望者一人ひとりの状況や目標に合わせたメリットを具体的に伝えることが大切です。
相談支援専門員に、就労継続支援B型事業所の利用希望者のメリットを伝える際は、以下のように具体的に説明すると良いでしょう。
自分のペースで働ける
- 体調や体力に合わせた働き方:体調や体力に合わせて、自分のペースで働くことができます。無理なく仕事に取り組めるため、体調を崩しにくい環境です。
- 柔軟な勤務時間・日数: 週に数日、数時間からの勤務も可能です。フルタイムで働くことが難しい方でも、自分のペースで働くことができます。
- 休憩時間もしっかり確保: 適度な休憩時間を設けているため、無理なく働くことができる。
- 自信と達成感: 自分のペースで働くことで、自信と達成感を積み重ねることができます。
働くためのスキルを身につけられる
- 様々な作業に挑戦できる:自分に合った作業を見つけたり、新しいスキルを身につけたりすることができます。
- 資格取得支援:就労に必要な資格取得をサポートします。スキルアップを目指せる環境です。
- 就職活動支援:履歴書の作成や面接練習など、就職活動に関するサポートを受けることができます。
仲間との交流
- 同じような境遇の仲間と出会える:同じような悩みや目標を持つ仲間と出会え、励まし合いながら働くことができます。
- コミュニケーションスキル向上:仲間との交流を通じて、コミュニケーションスキルを向上させることができます。
- 孤独感の軽減:孤立せずに、安心して過ごせる居場所を見つけることができます。
- 社会との繋がり: 地域との交流や貢献活動を通じて、社会との繋がりを感じることができます。
専門的なサポート
- 経験豊富なスタッフによる支援:経験豊富なスタッフが、仕事や生活に関する様々な悩みをサポートします。
- 個別支援計画の作成:一人ひとりの状況や目標に合わせた支援計画を作成し、きめ細やかなサポートを提供します。
- 様々な専門家との連携:必要に応じて、医師やカウンセラーなど、様々な専門家と連携し、包括的なサポートを提供します。
【伝える情報6】あなたの事業所の「実績」
紹介する実績は、抽象的な表現ではなく具体的な数字や事例を交えて説明することで、客観的事実として実績の信憑性を高められます。
利用者さん自身の言葉で、事業所での経験や成果を語ってもらうことも、客観的な意見として説得力のあるアピールになります。
具体的な紹介の方法としては、支援前と支援後の変化(ビフォーアフター)を比較することで、事業所の支援の効果をわかりやすく示すのもよいでしょう。
また、できるだけ写真や動画を活用して実績を視覚的にアピールしましょう。
就労に関する実績
- 就職・転職実績:一般企業への就職、A型事業所への移行、その他就労支援サービスへの移行など、具体的な人数や割合を提示すると説得力が増します。
- 工賃向上実績:利用者の平均工賃や、工賃向上に成功した事例などを紹介することで、利用者の経済的自立への貢献度を示せます。
- スキル習得・資格取得実績:就労に必要なスキル習得や資格取得のサポートを行い、その成果を具体的に示すことで、事業所の支援内容の有効性をアピールできます。
生活・社会参加に関する実績
- QOL向上:利用者の生活の質(QOL)が向上した事例を紹介することで、事業所が提供する支援が利用者の生活全体に良い影響を与えていることを示せます。
- 社会参加促進:地域活動への参加、ボランティア活動への参加など、利用者の社会参加を促進する取り組みとその成果を紹介することで、事業所が利用者の社会的な繋がりを支援していることをアピールできます。
- コミュニケーション能力向上:利用者のコミュニケーション能力が向上した事例を紹介することで、事業所が利用者の人間関係構築を支援していることを示せます。
- 表彰・認定:行政機関やその他団体からの表彰・認定などがあれば、積極的にアピールしましょう。
まとめ
本記事では利用者募集をするために相談支援専門員に伝える6つの情報についてご説明させていただきました。
相談支援専門員への情報提供は、利用者獲得のための重要な手段となります。
相談支援専門員が理解しやすいように、必要な情報を簡潔にまとめ、ホームページやパンフレットで伝えられるようにしておきましょう。
また、情報提供だけでなく、相談支援専門員との良好な関係を築くことも大切です。
定期的に連絡を取り合い、事業所の最新情報を共有したり、相談支援専門員からの意見や要望を聞き取ることで、より良い支援を提供できるよう努めましょう。